シンフォニックコンサート Vol.2

2023年8月12日(東京オペラシティコンサートホール)

5月のシンフォニックコンサートからたったの3カ月でのVol.2。

今回もステージを見ていて思ったが、あんなにたくさんの人たちの予定を押さえ、練習をして本番という、素人からは想像もできないような壮大なスケールのコンサートは、本人の希望だけで叶うわけではなく、おそらく、たくさんの人たちの思いが一つになって実現するのだろう。しかも、Vol.2がこんなに早く実現したのは、その関わる人たちの思いの熱さがあってこそだと思うと、ぐっとくるものがある。

 

今回は1部が1階席前方、2部が3階席後方で、見え方も聞こえ方も違ったので、そのあたりを中心に感想を書こうと思う。というか、このポンコツ頭では、セトリの違う1部と2部のどの曲がどうだったかという細かいところは全く記憶できなかったので、それはこのあと映像がきてから、ゆっくり噛みしめようと思う。

 

聞こえ方・見え方

2部で最初の歌声を聞いた瞬間に、音の違いを感じた。

1階の前方だとオーケストラの音が直接的に響いてくるので、マイクに乗せた手越君の声が、よく言えば一気に自分に向かってくるようなパワーを感じられるが、悪く言えば歌が音に埋もれがちになる。

それはそれですばらしい。例えば、楽器の音がちゃんと鳴っているほうから聞こえてくる。床から音の振動が体に伝わってくる。ものすごいライブ感だ。

一方で、3階席はオーケストラの音は全部が一つになって聞こえてくる。そして手越君の歌が天井から降ってくるように聞こえてきた。音楽専用ホールの音響とはこういうことかと、改めて実感した。

ただ、拍手の音も天井に跳ね返って降りてくるので、拍手と喋りが重なると聞こえにくくて、いっぱい喋りたい手越君の言葉が2部ではよく分からなかった部分があったのは残念。

 

見え方に関しては、当たり前だが、1階前方は近くて表情もよく見えた。しかし、どうしても人の頭の間から覗く形になるので、全身も見えないし、前の人の頭が左右に動くたびにこちらも右・左と動いて、背の低い私にはちょっぴりストレス。

3階席は遠いので表情までは見えないが、音に合わせて動く様子がほぼ100%見られて、今回はそういう意味では聞こえ方・見え方の両方を体験できて、席運がよかったと思う。3階席からだと、オーケストラの方の演奏の様子もよく見えて、特に奥のほうのリズムセクションの方たちの動きがとても興味深かった。

結局、どの席でも、楽しみ方はあるということだと思う。

 

MC

1部のMCは彼も興奮していたのか、ちょっとぶっ飛んでて、何度も笑ってしまった。2回目とはいえ、やはりオーケーストラの圧に緊張していたのだが、そんなMCで緊張もほぐれて、よく見えないストレスも軽減したから、いつもの手越君にありがとう。

途中で、これが最後です、とか、帰りまーす、みたいなジョークもあって、おかげでラストの曲が終わったときに、これが最後なのかよく分からなくて、「公演は終了です」のアナウンスに、あれ、終わったの?と、肩透かしをくらったのは私だけだろうか…

その点、2部はだいぶ落ち着いていたけど、映像になるのは1部だということは、あれが残るのだろうか。ちょっと笑えてくる。

1部ではJust Rightでいきなり「歌って!」ときて、え、待って、歌詞、忘れてる~とハミングしかできず、OVER YOUも「歌って!」ときたけれども、こちらはおーおーだけなので何とか歌ったものの、彼も、振ってよかったんだっけ?と、その後のMCでも言っていて、なんか違うなと思ったのか、2部は「歌って」はなかった。

そして、最後も分かりやすかったので、ちゃんとスタンディングオベーションできたし、オーケーストラの最後の方がはけるまで渾身の拍手を送ることができてよかった。

 

曲の思い出

1部はComfort Zoneからで、最初からぶっこんできたなという感じ。オーケストラライブという、なんとなくの思い込みはすぐに覆される。これは1回目のときからそうであったが。そしてセトリが違うとは聞いていたものの、あそこまで違うとは、手越君て本当に面白い。

セトリそのものは、似た感じの曲は1部と2部でうまく分けて配置されていたように思う。例えば「この手とその手」と「Peaceful for you」、「シナモン」と「サイダー」のように。

それにしても、1部、2部でセトリを変えて、これだけ、かぶる曲が少ないとは、この3年間の怒涛のような活動あってこそのものだと思う。私にとっても、既にシナモンの発表時のことが、懐かしい思い出となっている。

 

最後に

前にもどこかで書いたけれども、手越君は一つひとつのエピソードを特別なものにしない。オーケストラをバックにしたライブなんて、自分の活動の中でもっと特別なものに位置付けてしまいそうなのに、この前までやっていたCHECK MATEのツアーも、もうすぐ始まる2ペプラも、彼の中で優劣はない。ソロになってからの彼の活動を追う中で、すべてに壁のない人だと感じるが、音楽の力でみんなを元気づける、それがすべての彼の活動が、これからどう進んでいくのか。私の予想を大きく上回るのか、あるいは、予想もできなかったような世界に進むのか。

これからもっと努力して、素晴らしいものを見せたいと言ってくれた手越君。この日以上の素晴らしいものなんて、既に私は予想することができない。この年齢になって、こんなにワクワクできるものがあることに感謝して、力のある限り、彼と一緒に歩んでいきたいと思う。

 

 

追記

VRで配信された第2部。映像になるのは第1部とのことなので、見ながら感想を少し。

SUPER SESSION

第1部の終わりと同じ曲。1部と2部の切れ目さえ取り払ってしまう手越くん。

MAKE ME ALIVE

エストロと目で合図してたけど、出だしのタイミングが合わなかったみたい。でも会場で聞いているときは気づかなかったぐらい、すぐに立て直すのはさすが。

Venus Symphony

ホーンセクションが入ると、クラブで聞いているような艶かしさ。

<MC>

「1部もめちゃくちゃ気持ちよくて最高だった。2部も全力で心を込めて歌います。」

LUV ME, LUV ME

コーラスが入らなくて、まるで楽器と掛け合いをしているみたい。踊らないから、メロディーが流れるよう。

サイダー

いつもより、あっさりと軽めに歌ってる。バックの音の厚みを感じてるからかな。

Peaceful for you

オーケストラの醍醐味の一つは、その一瞬に出せる音の大きさと多様さの幅がすごいこと。囁くような音から歓喜のパレードのような音まで。それがよく表れている曲で、最後の盛り上がりはシンフォニックならでは。

OVER YOU

前の曲の盛り上がりを受けて、最初からパワー炸裂。さあ、行くぞ!という映画のクライマックスみたい。

<MC>

・「ダメ元、ムリ元で、1日2公演やりたいっす」と言ったら、「できるっす」と言われた。「1日に2回歌いたい、そして、その内容を変えたいという手越祐也の一言に付き合ってくださった最高のスタッフの方々と皆さん(オーケストラの方を向いて)でございます。こんなこと、普通言えません。ありがとうございます。」

・「いろいろなヴァリエーションでライブができるのも、たくさんの歌を出してきたから。付き合ってくれたスタッフ、HONEYYYのみんな、ありがとう。」

・「5月4日と今日の1部が映像化決定しました!この2公演目は、数日以内にVR配信します。」←だいぶ、時間がかかったよね笑。実際に配信されたのは1ヶ月以上たってから

御どれ踊れや己が苑

一番、意外性があって、原曲と真反対な音のなり方が私には刺さった。スピードは遅めかもしれないが、むしろ狂気は増している。

ラヴァゲラ

オーケストラのバックがあまりに当たり前で、きれい。

プロポーズ

この音で、この衣装は、どう考えても教会での結婚式。鐘も鳴ってるし…

HONEYYY

コーラスの部分を、オーケストラが奏ででくれる贅沢。

<MC>

・数日後にワインの試験。「日本のものを世界に広めたい、日本のワインを世界に広めたい。勉強して資格あれば説得力があると思って始めたが、こんなに大変だとは思わなかった。この夏は夏らしいことは遠目に花火を見ただけだが、一夏を捨てでも、かける価値はあると思った。」

・「その中でのシンフォニックライブは、浄化されて、もう1回、がんばろうと思える。人前で歌い続けるからこそ、ほかのいろいろなことにも感謝をもってやっていける。ステージ上に立たせてくれるHONEYYYと手越祐也のチームには感謝している。」

・「そんな感謝を込めて次の曲に行きますか。…ただ、感謝を込めるという感じの曲ではないので、覚悟しておいてください。笑」

LOVE SENSATION

シャウトがすごい。すべて出しつくすぞって感じ。

<アンコール>

挨拶のあと、「おつかれっした」と言って帰るふりをしながらも、「帰れコールされても残ってやるからな、あはは」。

Comfort Zone

ダンスに目を奪われないのと、音の圧の変化で、歌詞の説得力がすごい。

ドラキュラ

白いドラキュラ様は少し優しめかと思いきや、狂った王子様にも見えて、これはもう抗えない。

ウインク

いろいろな音が聞こえて、危なそうなのに、ちょっと楽しく思えてしまう怪しさ。

<MC>

・「自分のアーティスト人生に深く深く刻まれた1日になった。」

・「最初の頃は好きなことがなかなかできなくて、やりたい気持ちと、チームがなかなかできないもどかしさの中、シナモンからスタートした。一人ひとりとの出会いが少しずつ力を蓄え、どんどん大きくなってきた。」

・「当時はへこむようなこともたくさんあって、つらいときにはマネージャーの晃希や仲間と、みんなで泣きながら飲んだこともあった。自分がやりたいこと、目指したい目標を曲げずにやってきた結果が、今日みたいな1日をプレゼントをしてくれたのかなと、心から感謝している。」

ONE LIFE

なんて気持ちよさそうに、なんて嬉しそうに歌うんだろう。

最後のお辞儀の長さ、そして、袖にはける前に小さな投げキッス。

オーケストラメドレー

SUPER SESSION→御どれ踊れや己が苑→プロポーズ→HONEYYY→ドラキュラ→ONE LIFE

<最後の挨拶>

「自分を信じてあげて、努力を惜しまず、周りの方への感謝を忘れずに突き進んでいけば、自分自身がそれで幸せになれたので、応援してくれているHONEYYYの1人でも多くの方に心から幸せになって欲しいし、その幸せのひとかけらに手越祐也という存在が心のどこかにいれたらと思ってます。」

 

(「」内の手越くんの言葉は、彼の発言どおりではありません。私に響いたところをピックアップし、語順なども変えています)

 

 

↓公式サイトです。セトリ、ライブレポも載ってます

artsinnovator.com